重な3本脚。Fritz Hansen THE ANT

デンマークが生んだ北欧家具の代表、Fritz Hansen / フリッツ・ハンセン

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)、THE ANT(アントチェア) 看板

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)社の創業は1872年まで溯ることができます。
当初は若い家具職人がたった一人で始めた小さな工房でしたが、軽量で丈夫な家具作りを可能にするスチーム加工による曲げ木技術を確立し、木材が描く優雅でしかもシャープな曲線で人々を魅了しました。
そして、20世紀を通じ、アルネ・ヤコブセン、ハンス・J・ウェグナー、ポール・ケアホルム、ピート・ハイン、ヴィコ・マジストレッティ、ピエロ・リッソーニなど多くのデザイナーと提携し、近代的な北欧でのデザイン概念を定着させました。
彼らが生み出して世界でもアイコン的な存在になった名作家具は、数え切れないほどです。
フリッツ・ハンセン社のデザインコンセプトは、「シンプルさ」「機能性」「革新性」「時代の超越性」。 100年以上もの間、それらを追求し、そして今も昔も変わらず、美しくオリジナリティ溢れる最高品質の家具を創り続けています。
http://www.fritzhansen.com/

ブランド・Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)

代表的な作品としては、ハンス・J・ウェグナーによる「チャイニーズチェア」(1945年)、アルネ・ヤコブセンによる「アリンコチェア」(1952年)や「セブンチェア」(1955年)などが挙げられ、その製造技術の緻密さは、今日の工業化された製造手法のパイオニアであるだけに定評があります。
フリッツ・ハンセン社の家具は、時を経ても常にモダンで、幾多の家具が時代の変遷に左右されず、今でも多くの人に愛され続けています。

THE ANT / アントチェア

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)、THE ANT(アントチェア)

Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)がデザインしたアントチェアは、木材本来の特性とラミネート加工技術の結合によって、身体の形状や動きに柔軟に適応する、とても座り心地のよい椅子です。
機能美だけでなくフォルムの美しさ、そして鮮やかなカラーも魅力のアントチェア。長年ずっと愛され続け、デンマークの家具の代名詞ともいわれる芸術作品です。
しかし、1952年に発表された当初からすぐに有名になったわけではありませんでした。何しろ斬新な発想。アームのない、3本脚の椅子なのでしたから。
しかし、薄い成形合板と細いスチールアームで作られた軽さと、何脚も積み重ねられる機能性で、次第に公共の場で活躍するようになり、今日ではフリッツ・ハンセン社を代表する長年のロングセラーとなりました。

THE ANT 当初発表された貴重な 3本脚

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)、THE ANT(アントチェア)3本脚

建築家アルネ・ヤコブセンにより最初にデザインされたのが3本脚のアントチェア。 腰のくびれたシルエットからアリンコチェアという名称でも親しまれています。
3本脚+人の2本足で安定感のある機能を満たすという独特のコンセプトをもとにデザインされています。
実際に座ると椅子の前脚が中央にあるため、人の足が椅子の脚に触れず、とても快適。
世界で初めて座面、背板を1枚の3次元9枚レイヤーの成型合板で作られ、4本脚には見られない成型合板のシートと脚の美しいバランスが魅力です。
また、積み重ねたときに座面が痛まないようにと、座面に当たる脚の箇所にクッション材をつけるなど細やかな配慮もされています。

THE ANT その後、安定性が考慮され作られた 4本脚

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)、THE ANT(アントチェア)4本脚

アルネ・ヤコブセンが、コペンハーゲンにある製薬会社、NOVO(ノヴォ)社の社員食堂用椅子のデザインを受けて、1952年に誕生したアントチェア。
脚のキャップは2重構造で、万一、外側のキャップが磨耗したときでも内側のキャップが直にスチールチューブが床にあたることを防いでくれます。 また、座面裏のショックマウントは、接着剤やビスによる固定ではなく、脚に通して固定しています。 接着剤の劣化やビスの紛失の心配が無く、交換も容易。 スタッキング時の座面の保護の役割も担っています。
そして、アルネ・ヤコブセン死後、1980年に、より安定性が考慮され発売されたのが4本脚のアントチェアです。 今では、この4本脚のタイプが主流になり、世界的に親しまれるようになりました。
単体での美しさもさることながら、広い空間に多数並べたときの美しさは他に類を見ません。

本物とコピー製品との違い

フリッツ・ハンセン社の「本物」とコピー商品とを見分けるには?

実際のところ、「本物」か「偽物」か見分けがつきにくい場合もあります。 ですが、多くの場合コピー商品を見分けるのはそう難しくはありません。 細かい仕上げなど、コピー商品は品質が劣ることが多く、デザインにもデザイナーの意図が感じられないからです。
「本物」のフリッツ・ハンセンの製品は、長年の開発努力、多数のクリエイティブな発想、誰の目にも明らかな巨額の投資の結果としてできあがった作品です。 だからこそ「本物」の品質とデザインは、長年愛用されるのです。
フリッツ・ハンセンのすべての製品には、“Fritz Hansen”というラベルが付いています。

Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)

THE ANT フォトギャラリー

デザイナー アルネ・ヤコブセン

デザイナー アルネ・ヤコブセン

アルネ・ヤコブセン (Arne Jacobsen)
1902年、デンマーク・コペンハーゲンにて生誕。
1950年、デンマークの家具メーカー「Fritz Hansen(フリッツハンセン)社」と仕事を始め、2年後の1952年、3次元曲面を持つプライウッドチェア「The Ant(アントチェア)」を生み出します。 その後も、自身が設計したコペンハーゲンのSASロイヤルホテルのためにデザインした、「The Egg(エッグ)」「The Swan(スワン)」など、デイニッシュ・デザインを世界的に広めることとなる作品を送り出します。
アルネ・ヤコブセンは、建築、家具、食器、カトラリー、照明、テキスタイルと生活に関わるあらゆるモノに関わった建築家、デザイナーです。
機能美だけではなくフォルムの美しさ、心地よい使用感など、ぬくもりを感じるデザインで制作されたアントチェア、セブンチェアは没後30年以上経た現在でも人気は衰えることなく、数多く製造され、多くのファンに愛用され続けています。

ヒトリゴト

現在、日本国内では安全性に配慮がなされ、3本脚のタイプを扱うところは殆どなくなっています。 不安定な姿勢で腰掛けたり、踏み台代わりに使ったりして、転倒する危険があるからです。 そのため、3本脚はとても貴重になっています。 しかし、個人的には、3本脚+人の2本の足で安定するというユニークなコンセプトと、何より3本脚の完成されたフォルムにどうしても惹かれてしまいます。

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