ルヴァ・アアルト デザイン。Paimio / パイミオ

結核サナトリウムのためにつくられたアームチェア、Paimio / パイミオ

artek アルヴァ・アアルト Paimio(パイミオ) 看板

「Paimio(パイミオ)」は建築家、アルヴァ・アアルトが1929〜33年にフィンランドの都市パイミオにあるサナトリウム(結核患者の療養所)のためにデザインしたアームチェアです。
1933年、当時流行していた結核で患った人のための療養所として、アアルトはサナトリウムの建築を行いました。 このサナトリウム建築は、患者のことを第一に考えられた設計でした。 パイミオの街の郊外、深い森林で囲まれた高い外観、バルコニーからは静かな森の風景が見渡せるように設計されています。 それは、結核で患った患者の心を少しでも癒せればというアアルトの想いからでした。 そしてその施設で使用する家具や照明器具、洗面陶器、扉の取っ手なども全てアアルト自身の設計によりつくられました。
当初アアルトは、当時主流だったクロームメッキスチール製の家具を考えていましたが、病人の環境としては心理的に厳しすぎるように思われたため、木材を用いたものに変更しました。
その結果、大判の成型合板を使用した、より温かく、よりしなやかな、斬新な座面が生まれたのです。
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アルヴァ・アアルトが建築した結核サナトリウム イメージ

その座面は張り地がないにも関わらず、弾力性のある快適な座り心地を与えてくれました。
それは、自然にいくらか湿気のあるカバ材を使った、多数の成型の試みの結果でもあります。
カバ材がフィンランドの至るところに豊富で、そして製造方法が費用のかかる技術を必要としなかったので、比較的低いコストでつくることができたのです。
このアームチェア、「パイミオ」は材料革命と評され、家具デザイナーとしてもアアルトの名を一躍有名にしました。
そしてサナトリウムの建築こそが、後のartek社創設のきっかけになったのです。

アルヴァ・アアルトが建築した結核サナトリウム イメージ

アアルトが建築した結核サナトリウム(上下写真)。

結核患者のためにつくられたチェア、パイミオ

artek アルヴァ・アアルト Paimio(パイミオ) イメージ

背もたれの角度は、結核患者が腰掛けたときに呼吸が楽になるよう設計されています。
また、肘掛け部分は弾力があって、手を置くと楽な姿勢がとれるようになっています。

artek アルヴァ・アアルト Paimio(パイミオ) イメージ

優しく微笑む顔のようなかたちをした背面。
腰を下ろすと、誰かがそっと後ろから抱きしめてくれるかのように体を包み込んでくれます。

artek アルヴァ・アアルト Paimio(パイミオ) イメージ

結核サナトリウムのためにつくられた当時のパイミオ(左写真)。

デザイナー Alvar Aalto (アルヴァ・アアルト)

デザイナー Alvar Aalto (アルヴァ・アアルト)

Hugo Alvar Henrik Aalto (1898-1976)

フィンランドの建築家で自然素材を近代建築へ巧妙に取り入れ、温もりのある作品で知られるモダニズム建築の巨匠。 建築・家具・照明器具・ガラス器など、アアルトが手掛けたものは全てが自然なフォルムで、どんな空間でも調和するデザイン。それは人の生活を中心に考えられているからこそです。 1929-33年に設計したサナトリウム用のアームチェア「パイミオ」は、成形合板を使った斬新な座面により材料革命と評され、家具デザイナーとしてもアアルトの名を一躍有名にしました。
アアルトは生涯を通じてフィンランドをこよなく愛し、素材を活かした温かなオーガニックデザインで幾多の近代的な作品を残しました。

ヒトリゴト

アアルトは結核サナトリウムを設計中に病気に陥り入院します。自分が入院して初めて、病室やベッドなど全てが横たわっている患者のために設計されておらず、立った人の立場で設計されていることに気づきました。 落ち着きも安らぎも感じられなかった病院での療養生活の経験から、患者のための、温もりを感じる木を使った安定感のあるしなやかなイージーチェア、パイミオが生まれました。
そういう背景を知ってからこの椅子を眺め、そして座ってみると、また少し違った想いを覚えます。

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