Serge Mouille / セルジュ・ムーユの名作ランプ

Serge Mouille / セルジュ・ムーユ による造形的な美しさをもったランプ

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) 看板

1922年、パリに生まれたSerge Mouille(セルジュ・ムーユ)は銀細工職人として教育を受けた後、様々なデザイン活動を行いながら、1950年代前半から60年代の半ばまでという短い期間に自らの照明器具の開発し、制作を行いました。
自然の造形、素材との対話、そして職人的技術によって生まれた一連のランプは、同時代に活躍した、Charlotte Perriand(シャルロット・ペリアン)、Jean Prouve(ジャン・プルーヴェ)、Georges Jouve(ジョルジュ・ジューヴ)らの作品と同様、独特の輝きを放っています。
そしてこれまで、その希少性も手伝って世界中の建築家やデザイナー、コレクターから絶大な支持を得てきました。

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ

そしてこのランプを復刻させることに成功したのが日本の企業、IDEEです。 1980年代にパリのクリニアンクールの蚤の市でゴミのように積んであった照明器具の中からセルジュ・ムーユのランプを見つけ、瞬間、これって新しい、と思ったといいます。
その造形的な美しさに惹かれ、生前の彼のアトリエを訪ね、また彼を日本に招いて作品を再生産することを実現させました。

いつまでも生き続ける新しさ、それは「普遍的な新しさ」。
セルジュ・ムーユのランプの再生は、むしろ彼の生まれたフランスで高く評価されています。

APPLIQUE MURALE 1 BRAS PIVOTANT

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) APPLIQUE MURALE 1 BRAS PIVOTANT

APPLIQUE MURALE 1 BRAS PIVOTANT
このランプがはじめて登場したのは1953年、「Paule Marrot and Her Friends」展でのことです。
アームはほぼ直角に曲がり、壁の固定盤を基点として水平方向に旋回します。 アームの先には玉継ぎ手を介したリフレクター。
このモデルには、水平方向と垂直方向、それぞれの長さの違いによる数え切れないほどのバリエーションが存在していました。 いずれも水平方向のアームがわずかに下に垂れ、空間の中でダイナミックにバランスをとります。

APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANT

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANT

APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANT
1954年、パリで開催された「Salon des arts menagers」の会場に登場したモデルです。
当時の建築家たちは皆一様に、
壁にはランプを取り付けることのできるコンセントを並べるだけでしたが、
セルジュは APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANTS を、
テーブルやサイドボードを含めたダイニングルームのセッティングに組み込んで設計していました。
上のライトは部屋全体を照らし、下のライトは調理台やテーブルに光をあてます。

SUSPENSION 3 BRAS PIVOTANTS

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) SUSPENSION 3 BRAS PIVOTANTS

SUSPENSION 3 BRAS PIVOTANTS
初期の作品である、固定式の「Araignees」シーリングライト以来、4年の歳月をかけた後、1958年にセルジュ自身が納得の行くアームの動きを実現させた、SUSPENSION 3 BRAS PIVOTANTS。
3本それぞれ長さの異なるアームの先には、玉継ぎ手によってつながれたリフレクター。
アームを旋回してリフレクターの位置を変化させることで、どんな状況にも光を合わせて照らすことができます。

COCOTTE

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) COCOTTE

COCOTTE
この小さなデスクランプは1957年、フォントネーにある「young workers' centre」のベッドルームのために作られました。
コストを抑える必要があったため、セルジュは12種類の異なる脚のフォルムを提案したそうです。
選ばれたのは脚の下にリングが付いているモデル。 リング部分を使って壁に吊り下げることで、ベッドサイドのウォールランプにも姿を変えることができるのです。

BUREAU TREPIED

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) BUREAU TREPIED

BUREAU TREPIED
1954年。このランプは LAMPADAIRE 3 LUMIERES と関連性が高く、共通するアグレッシブさを持っています。
セルジュはリフレクターの支柱に当時自転車の後輪フォークを採用しましたが、このアイデアはアンリ・ドゥ・ピエール(Perfection cyclesの生産者)の工房で見た際にひらめいたと考えられています。
リフレクターは玉継ぎ手により、角度調節が可能です。

LAMPADAIRE 3 LUMIERES

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) LAMPADAIRE 3 LUMIERES

LAMPADAIRE 3 LUMIERES
1952年、ジャック・アドネの勧めで「Compagnie des arts francais」のために作られたもの。
見る者を威嚇し、ともすれば不安な気持ちにさせるトカゲの頭のようなリフレクター。
しかし外へと開かれた3本のアームは、空間を大らかに抱きしめるようです。
セルジュ自身にとってこれは「アグレッシブな照明、昆虫、ナナフシ」であるとの言葉も残っています。
V字型に分かれた前脚が湾曲し、先に向かって細くなるスタンドは、まさに昆虫の関節のよう。分岐する3本のアームとリフレクターをそれぞれ回転させて角度を調整できるため、天井に向けて部屋全体を照らす機能と、下に向けて直接テーブルや手元を照らす機能を同時に果たすことが出来ます。
そうしてさまざまなかたちに変幻しながら、しなやかにバランスを保つ。その不思議な安定感も魅力です。

LAMPADAIRE 1 LUMIERE

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) LAMPADAIRE 1 LUMIERE

LAMPADAIRE 1 LUMIERE
1953年の作品。LAMPADAIRE 3 LUMIERES をもとにしながら、より空間に馴染みやすく扱いやすいアイテムを、という必要性から発想された1灯タイプのモデルです。
一見同じシリーズに見受けられますが、上の LAMPADAIRE 3 LUMIERES と LAMPADAIRE 1 LUMIERE は非常に異なる性質を持っています。
アグレッシブな LAMPADAIRE 3 LUMIERES は周りの空間を抱きしめる昆虫。 それに対し、スレンダーでエレガントな LAMPADAIRE 1 LUMIERE の描く線はアシなどの植物を彷彿とさせます。
こちらもリフレクターの角度を変えることで、様々な光の表情を生み出すことができます。

Serge Mouille / セルジュ・ムーユの軌跡

1922年 12月24日、パリに生誕。
1936年 応用美術学校に入学。また、Gabriel Lacroix のもとで働き銀細工師として習熟。
1945年 自身の会社を設立。カトラリーなどのシルバーウェアをデザインする傍ら、応用美術学校において銀細工師として教鞭。
1952年 Jacques Adnet による French Art Company に照明器具デザイナーとして招かれ、数多くの名作照明を残す。
1955年 Charles les Plumet 賞を受賞。
1956年 サンジェルマンに「Galerie Steph Simon」がオープン。
パリのデザインシーンをリードしたこの場所で、
シャルロット・ペリアン、ジャン・プルーヴェ、イサム・ノグチらの作品と共に
セルジュ・ムーユ作品の展示および受注生産がスタート。
1958年 ブリュッセル万国博覧会にて名誉賞を受賞。
1959年 長い間患っていた結核のため、山中で療養生活を送る。
1961年 新作照明を発表。
1965年 生産活動を終える。
1976年 パリ市メダルをアーツ&クラフツ部門にて授与される。
1981年 ポンピドー・センターで行われた「Paris-Paris」展にて
照明作品が展示される。
1983年 パリの Galerie 1950 で回顧展を開催。
1985年 ニューヨークで「Jean Prouve-Serge Mouille」展を開催。
1988年 ポンピドー・センターで行われた「Les Annees 50」展にて
照明作品が展示される。
同年12月24日から25日にかけての夜に死去。

Serge Mouille / セルジュ・ムーユ イメージ

Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ
Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ Serge Mouille(セルジュ・ムーユ) イメージ

ヒトリゴト

極細の繊細なラインと柔らかくふくらみのあるシェードとの絶妙なアンバランスさ。 ブラックのアルミニウム塗装にゴールドの金具というアクセントも効いています。 個人的には「APPLIQUE MURALE 2 BRAS PIVOTANT」をダイニングに設置したら・・・と想像しますが、ちょこんとしたカタチの「COCOTTE」も実に魅力的ですね。
ちなみに、このセルジュの復刻はEUでは別でライセンスが発生しています。 そのため、EUと日本とでは販売価格が異なりますが、日本(製造販売・IDEE)のほうが遙かに安いのです。 しかもセルジュの図面通りに細部まで忠実に作られた日本のものは精度も高く、上質です。 海外から訪れて幾つも買い付けていくバイヤーもいるほどです。